△表紙に戻る
SC取鳥?へようこそ!

●項目 日本海新聞コラム 「潮流」
『SC取鳥?へようこそ!』

 先日、仕事の関係で東京にいく機会がありました。東京では大学時代4年間を過ごしましたが、おとずれるたびに街並みや人々のファッションなどが変化していて、すごく刺激的だなあと改めて感じました。
 午後から始まる会議に備え、ファイルブックを購入するために、百貨店の文房具売り場に立ち寄りました。そこで目当てのものを手にし、レジで代金を支払った時のことです。
「領収書をお願いします。」
「宛名はどうお書きしますか?」
「SC鳥取でお願いします。」
「“エスシー”はどうお書きしますか?」
「英文字で“SC”です。」
「かしこまりました。」
という会話を交わした後に手渡された領収書には「SC取鳥」と書かれていました。
 私は、苦笑いしたいような気持ちを押さえ、何も言わずにその場を立ち去りました。実はこうした経験は初めてのことではなく、これで3度目のことでした。「鳥取」という県名はその「とっとり」という発音からか、全国の方に正確に覚えていただいていないようです。自分の生まれ育った県の名前を覚えてもらっていないというのは、何とも寂しい気がします。「鳥取は素晴らしいところだ」という思いがあれば尚更のこと、何とかしたいなあと思わずにはいられません。
 
 SC鳥取は米子を拠点として活動しているサッカーチームですが、「SC鳥取」という名前で良かった、とつくづく思います。「米子の名前をどこかに入れたほうがいいんじゃないの」という話もちらほら耳にしますが、全国を舞台に活動するチームに成長した今、「鳥取県のチーム」として県外の方には認識していただきたい、「鳥取」という漢字を覚えていただきたいと考えています。
 
 話は変わりますがSC鳥取に県外から2名の若者が加わりました。2月の選手選考会合格後、3月から生活基盤を米子に移し、現在即戦力として活躍しております。ひとりは北海道、もうひとりは東京の大学を卒業して、SC鳥取の選手となりました。選考会時の説明で「チームに加わることは容易いとしても、米子で家を探し、仕事も探し、アマチュア選手として活動して行くことは簡単なことではないよ。そんな条件でも鳥取に来たいのか?」という話をしました。彼らは、それでも頑張りたい、と考えてやってきたわけです。
 
 全国的に正確に名前を覚えてもらっていないような我々の鳥取に、悪条件承知の上で、尚且つ魅力を感じてくれて、二人の若者がやってきてくれました。鳥取から東京ではありません。北海道・東京から鳥取です。ほんの小さなことかもしれませんが我々には素晴らしい出来事です。
 SC取鳥、ではなく「SC鳥取へようこそ!」
 
 
 
 
●項目  
●掲載者  
●関連ページ  


やまつみスポーツクラブ